こんにちは、宮本(@mangablog2)です。
当記事では、20年以上ハンターハンターを愛してやまない僕が考察&解説をしています。
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ハンターハンターネタバレ一覧
メルエムについて徹底解説
メルエムの概要 | |
---|---|
年齢 | 生後1ヶ月程度 |
誕生日 | 1ヶ月前程度 |
身長 | 不明(小柄) |
体重 | 不明 |
血液型 | 不明 |
性格 | 合理主義・冷徹・気高い |
念系統 | 放出系(極) |
能力 | 食べた者のオーラを自分のものにする |
メルエムはキメラアントの王。
ハンターハンターの世界観を崩壊させる圧倒的な戦闘力を持ち、後に『外来種』と呼ばれる暗黒大陸出身であることが判明する。
メルエムについて①:外見
メルエムはキメラアントの王でありながら、蟻や特定の生物の特徴などは一切引き継がれていない。
代わりにヘルメットを被ったような頭と長く伸びた耳たぶが特徴的で、先端が針のように尖った長い尻尾を持つ。
身長は小柄だが、膨大な質量が圧縮されたような力強さを放っており、大抵のものは軽く触るだけで破壊することができる。
基本的に表情は変化が乏しく、唯一アイザック=ネテロと戦闘した時のみ、表情を大きく変化させた。
メルエムについて②:性格
メルエムの性格を一言で表すと『合理主義』であり、合理主義であることを象徴するような口癖が「2度言わせるな」
初登場時は母親のお腹を引き裂き生まれ、部下を殺して食べるなど、無機質で残虐な性格だったが、物語が進むにつれて人間らしい心を持ち合わせるようになっていく。
生まれて来た瞬間から、世界を統一することが使命だと自覚しており、変化の過程で『使命』と『自我』がせめぎ合い自分が何者なのか分からなくなることもあった。
おそらく、自我(人間的な考え)が生まれたことで「与えられた(自分で選んだ訳ではない)使命を何も考えず実行しているだけで良いのか?」といった疑問が生じたからだと推察される。
しかし、種全体の悲願でもある使命(世界の統一)を放棄するわけにもいかないため「何のために生まれて来た?」と誰も解答を持ち得ない疑問にぶつかることになった。
その後、ネテロとの戦いを経て、使命を全うする(蟻として生きること)よりも自我(人間として生きること)を選択する。
- 生まれた瞬間
母親の命を奪い生誕。
自分以外の者はすべてエサとして認識しており、大した理由もなく部下2名を殺して食す。
- 行動開始
人間は家畜と同程度の存在と認識。
- コムギと出会う
コムギを暇つぶしができる程度の存在として認識。
- 想定外の出来事に遭遇
命をかけていたコムギよりも覚悟が劣っていたと自覚し、王としてのプライドを発揮。
人間の見方を少しだけ変える。
- 名前を聞かれる
個人を示す名前を尋ねられるが答えることができない。
今までなかった自我が芽生えかけ、少しだけ考えを巡らせる。
- 1つの結論に至る
精神力も知力もその他どんな力であっても、圧倒的な暴力の前では何の意味もなさない。
暴力こそがこの世で最も強い力という考えに至る。
弱肉強食がこの世の根本だと再認識。
- 考えがひっくり返る
自分が正しいことを証明するためにコムギを殺そうとするが、助けた挙句に優しい言葉をかけるなど正反対の行動をしてしまい戸惑いを見せる。
意思と行動の統一できない理由が分からない。
- 本格的に自分が何者なのか分からなくなる
全てが揃えられた状況に退屈を感じ、種の王として以外の自分が何者なのかが分からなくなる。
いわゆる、アイデンティティクライシス状態。
- 使命と自我で揺れ動く
コムギのおかげで人間にも生かす価値のある存在がいることを知り、ネテロも価値のある人間と判断し、議論を交わそうとする。
しかし、第三者から見ると、すごく不安定な状態。
- 生まれて来た意味を知る
死が直前に迫った状況で、最期まで一緒に添い遂げるとコムギが告げ、自分の生まれて来た意味を知る。
メルエムについて③:強さ
作中最強の存在。
人間とは基本的なスペックが別次元であり、膂力だけでもキメラアントの巣に巨大な穴を空けることができる。
将棋や囲碁の国内チャンピオンをルールブックを読んですぐに打ち負かすなど、学習能力も非常に高い。
念を使えるポックルが、念を使えない一般兵に苦戦していたことを考えると、仮にメルエムが念を使えない状態だったとしても、勝てる者は相当限られるだろう。
念を使った戦闘においては、人類最強といわれるネテロ会長ですら全く歯が立たず、数日練ったオーラを放つ最終奥義『零の掌』を受けても大したダメージにはならなかった。
また、念能力者を食べることでオーラを取り込むことができる能力、つまり『食べれば食べるほど強くなる』という性質を持っており、理論上、強さには上限がない。
さらに食べた者の能力を昇華した状態で使うこともできる。
最終的にネテロの体内に仕込まれた兵器『貧者の薔薇』によって倒されたが、ノヴのような移動系の能力を奪っていた場合、兵器を用いたとしても倒すことはできなかったと予想される。
シャウアプフとモントゥトゥユピーを取り込んだメルエムのオーラ量は、ナックル曰く「国家レベルの武力がいる」とのこと。
個人やチームが策を練って対策できる範疇を超えた存在といえるだろう。
念能力 | |
オーラの総量 | |
身体能力 | |
頭の回転 | |
念の操作 | |
ポテンシャル | |
総合 |
メルエムについて④:念能力
メルエムの能力は『他人のオーラを食べることで取り込む能力』
つまり、食べるほど強くなる。
特質系かと思われていたが、冨樫展で公開された『念能力設定資料』でメルエムの念系統は放出系であることが判明した。
さらに『属性円』と呼ばれる系統の修練度を表す値は『極』と呼ばれる最高到達点に位置している。
『他人のオーラを食べることで取り込む能力』が念に依存するものなのか、メルエム自身の性質なのかは不明だが、ただ食べるだけ良いことを考えると能力というよりも、性質として捉えた方が自然。
護衛軍の2匹を取り込んだ後は、ユピーのように体を自由に変化させたり、大量のオーラ放出が可能となり、プフの感情を読み取る能力も『円』と複合させることで、より高度な分析が可能となった。
メルエムについて⑤:声優
ハンターハンターのアニメでメルエム役を演じたのは『内山昂輝』さん。
他の作品では
- 『ニセコイ』(一条楽)
- 『六花の勇者』(ゴルドフ)
- 『ワンパンマン』(メルザルガルド)
- 『僕のヒーローアカデミア』(死柄木弔)
- 『鬼滅の刃』(累)
などを演じている。
メルエムについて徹底考察
ここからは、まだ明かされていないメルエムの謎や伏線・疑問などを徹底的に考察していくぞ!
僕自身が気になっている要素は全て考察していくつもりだけど、他にも「こんなことを考察してほしい!」という声があれば、お問い合わせかハンター協会からお気軽に言ってくれ!
メルエムについて考察①:もしコムギと出会っていなければどうなっていた?
もし、メルエムがコムギと出会っていなければ、物語はどのように進んだのだろうか?
おそらく、コムギと出会っていなかったとしても『人類の勝利は揺るがなかった』というのが結論だ。
ただし、討伐部隊は全滅していた可能性が高い。
その理由を述べる前に、まずはコムギと出会ったことでメルエムに起きた変化や行動をまとめてみよう。
- 軍儀に没頭
- 腕を引きちぎる
- 自我が芽生える
- 人に対しての見方を変える
- 蟻ではなくコムギを思うヒトになる
など。
細かく挙げればもっとあるのだが、特に大きな分岐点となった5つをチョイスした。
色々と前提が崩れることになるため、ツッコミどころ満載にはなるが「もしも、万が一、上手くことが運んだとしたら」って感覚で読み進めてほしい。
分岐点①:軍儀に没頭
最も大きな分岐点といっても過言ではないのが、メルエムが軍儀に没頭したことだ。
重要なのは、軍儀というより食事をしなかったこと。
普通に食事をしていれば、ネテロと戦った時のメルエムよりも数段強かっただろう。
そして、食事によって移動系の能力を手に入れていた場合『貧者の薔薇』でも倒すことはできなかった可能性が高い。
人類が勝利を収めることができるかどうかは『貧者の薔薇が通用するか?』がカギを握っている。
少なくともコムギと出会っていなければ、人類の被害はもっと大きくなっていたのは間違いない。
分岐点②:腕を引きちぎる
もし、メルエムの治療がなければピトーが『円』を解くことはなかった。
そうすると、ノヴは宮殿内部に侵入することができず、侵入経路は大きく異なることになる。
当然、護衛軍の配置も一箇所に集中することになっていたはずなので、護衛軍と王の分断はできなかった可能性が高い。
それでも、ネテロさえ宮殿に降り立つことさえできれば、たとえ分断ができなくとも『貧者の薔薇』で撃破することは可能だったと推察される。
ただし、他の討伐メンバーも巻き添え・・・
分岐点③:自我が芽生える
メルエムに自我が芽生えなければ、名前を知りたいと思うことはなく、ネテロは戦いに持ち込むことができなかっただろう。
荒野での戦いに持ち込むことができなければ『貧者の薔薇』を用いたとしても、確殺できたかは未知数。
メルエムを地下に誘導できるかどうかが重要なポイント。
分岐点④:人に対しての見方を変える
メルエムは当初、人間を家畜と同程度にしか思っていなかったが、コムギと出会ったことで人間にも生かすべき価値のある者がいることを知った。
だからこそ、ネテロを見て「議論を交わす価値がある」と分断に応じてくれたのだろう。
コムギと出会っていなければ「お前は家畜と議論を交わしたことがあるか?」と嘲笑していたかもしれない。
分岐点⑤:蟻ではなくコムギを思うヒトになる
最終的にメルエムは『蟻の使命』よりも『ヒトとしてコムギと一緒にいること』を選んだ。
ウェルフィンと接触した際のメルエムは、自分が死ぬことを知らなかったため、毒で犯されていなくとも結果は同じだっただろう。
つまり、メルエムはコムギと出会ったことで、蟻としてではなく、ヒトとして最期を迎えることができたのだ。
生まれてきた意味を知り最愛の者と最期を迎えるか、それとも生まれてきた意味も分からないまま、空虚な玉座に君臨するのか・・・
どちらが幸せかなんて語るつもりはない。
生まれてきた意味を知り、最愛の者と死なずに生き続ける方が幸せに決まっているからだ。
いや、全てが一致しての現在だからこそ、そう思うだけなのかも知れぬ。
メルエムについて徹底②:コムギを抱えていた時の表情
ゼノの『龍星群』で受けてコムギが倒れた時、メルエムはどんな表情を浮かべていたのだろうか?
結論からいうと、コムギがメルエムを抱えていた時のような『穏やか・慈悲・優しさ』といった類の表情だったと推察できる。
ピトーが『円』を発動したとき、メルエムは少しずつコムギに近づいて行ってるのが分かる。
おそらく、龍の矢が宮殿に降り注いだ瞬間、メルエムは真っ先にコムギのいる場所へと駆けつけたが、間に合わなかったのだろう。
そして、コムギが力尽きる直前に何かやり取りをしていて、30巻でコムギが見せたような表情を浮かべていた時にピトーが駆けつけた。
まるでヒトのような穏やかな表情は、25巻時点でまだ描写できなかったのかも知れない。(物語的に)
もちろん、読者の想像に任せただけとも捉えることができる。
しかし、ネテロは「人と蟻の間で揺れている」と人を食べている場面と黒塗りにされている場面を思い浮かべたことから、真逆の表情であると考えた方が納得がいく。
メルエムについて考察③:名前の由来
メルエムという名前の由来は何なのだろうか?
調べていると、護衛軍の3人『ネフェルピトー』『シャウアプフ』『モントゥトゥユピー』はエジプトの神とフランスの絵本が由来してることが分かった。(確定ではないけど)
どうやら、メルエムの由来になってるっぽい『メルウェル』で検索しても出てこないようで『マンドゥリス』で調べると出てくるっぽい。
他にも色々調べてみると5つの可能性を見出した。
メルエムの名前の由来①:エジプト説
現在、エジプトではアラビア語が使われているらしく、アラビア語で「照らす」は「ينير」
発音すると「ユニエル」となる。
少しだけメルエムっぽくなった。
しかし、アラビア語単体では少し物足りなさを感じる。
メルエムの名前の由来②:フランス説
フランス語で「光」は「lumière」
発音すると「ルミエ」「ルミエール」
「lumière」←並び替えると
「melueri」←少しメルエムっぽくなった。
だけど、こじつけ感がすごい。
メルエムの名前の由来③:エジプトとフランス混ぜる説
メルエムの名前の意味は「全てを照らす光」とキメラアントの女王は言っていた。
アラビア語で「照らす」は「ユニエル」
フランス語で「光」は「ルミエール」
合わせるとさらにメルエムっぽくなった。気がする・・・
メルエムの名前の由来④:ギリシア神話説
神様の名前を調べていた時に見つけたのが豊穣の神である『デメテル』
何となくメルエムに名前が近いと思わないだろうか?
さらにデメテルは麦の豊穣の女神でもあり、分解すると『デ』は『麦』を表し『メテル』は『母』を意味するとのこと。
麦?いやいや、もうコムギのことでしょ?
さらにさらに聖書には、こんな言葉が残されている。
「まことに、まことに、あなたがたに告げます。一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。」
ヨハネによる福音書12章24節
まるでメルエムの最期が語られているような気がしてならない。
ギリシア神話説を推したい!
メルエムの名前の由来⑤:仏教説
仏教には「真っ暗だと何も見えないが、光しかない世界でも何も見ることはできない。しかし、光に陰が差すことで見えるようになる」という話がある。
だから「お陰さまで〜」と使われるんだとか。(諸説あり)
メルエムが何でもできる『全てを照らす光』のような存在だとするなら、コムギは何もできない『陰』のような存在と仮定できる。
コムギ(陰)がいたからこそ、メルエム(光)の存在は、より際立ったのかも知れない。(もう名前の由来関係ないやん)
いずれにしても、メルエムはコムギを照らすことができたのは間違いない。
メルエムについて徹底④:復活する?死んでいない?
ネットでは「メルエムが復活するんじゃないか?」「実は死んでないんじゃないか?」という話がたびたび見受けられる。
というのも、コムギが寝言で「4-7-1 帥」(死なない)と言っており、何かの伏線と考えられているからだ。
僕も復活してほしいとは思うが、メルエムが再登場する可能性は限りなく低いだろう。
なぜなら、メルエムは役割を全うしたからだ。
蟻としてではなく、ヒトとして生きることを選び、そして生まれてきた意味を知ったメルエムに死後強まる念が発動することもない。
仮に復活したとしても、役割もなければコムギもいない世界でメルエムは一体何をするのだろうか?
それにメルエムは僕たちの心の中で生き続けている!(何やそれ)
メルエムについて徹底⑤:キメラアントの登場理由
メルエム(キメラアント)が生まれてきた本当の意味は、(冨樫先生的に)アルカの登場や暗黒大陸への布石だったのかもしれない。
作中でアルカを登場させたり、暗黒大陸を目指すことになるには3つの条件が必要となる。
など。
まず、ネテロが死ななければ、ビヨンドは暗黒大陸を目指すことができない。
次にキメラアント編がなければキルアの洗脳が解かれることはなかった。
そして、最後にゴンがゴンさん化しなければ、アルカが登場すること機会もない。
キメラアントほどの脅威でなければ、3つの条件を満たすことはできなかっただろう。
つまり、他の章と比べて突発的だったキメラアント編への突入は、総選挙編・暗黒大陸編に繋げるためになくてはならないストーリーだったのだ。
ハンターハンターのメルエムについて徹底解説&考察 まとめ
存在感の強すぎるメルエムだけあって、ハンターハンター読者にもメルエムファンは多い。
そんな僕もメルエムファンのうちの1人だ。
圧倒的な強さを持ちながら、その強さを存分に発揮することなく、幕を閉じてしまったことは残念だが、メルエムが力を発揮することは人類の破滅を意味する。
良くも悪くも役目を全うしたメルエム。
そして、人として死んでいったメルエムに慎んで哀悼の意を送りたいと思う。
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