ハンターハンターを読んでいて、キメラアント編の入り方に違和感を覚えた読者は多いのではないだろうか?
今回の記事では、あまりに脈絡がなく、突然すぎる異形(キメラアント)の登場を推理した記事になる。
「なぜキメラアントが人間の世界にやってきたのか?」その真相が知りたい人は、ぜひ参考にしてみてほしい。
キメラアントが人間の世界にやってきた2つの可能性
暗黒大陸編に入ろうとしているが、キメラアントの女王(外来種)が人間の世界にやってきた理由や謎は未だに明かされていない。
では、どのようにしてやってきたのか?
- 自然にやってきた
- 人為的に連れてこられた
上記の2つのパターンが考えられる。
パターン1:自然にやってきた
パターン1の『自然にやってきた』場合はさらに2パターンに分けることができる。
①女王自身の意思でやってきたパターン
②偶発的もしくはやって来ざるを得ない状況だったパターン
①女王自身の意思でやってきたパターン
女王自身の意思でやってきた可能性は極めて低い。
なぜなら、王を産むという使命があるのに、水性生物でもない純粋なキメラアントが、暗黒大陸から超巨大な船(ブラックホエール号)ですら数ヶ月かかるほど遠く険しい海を泳いで渡ろうとするなんて自殺行為でしかないから。
使命を全うする気がするないとしか思えない。
100歩譲って険しい道のりを超えて人間をエサにする目的とかで来たならまだ分かるけど、人間の存在すら知らなかったから、マジで何しにやってきたの?ってレベル。
よって、動機と方法を含めて可能性は極めて低いと判断できる。
②偶発的もしくはやって来ざるを得ない状況だったパターン
②はまだあり得る。
暗黒大陸での生物競争に敗れて仕方なく海に出た結果だったり、自然災害的なものに巻き込まれて流れ着いた先が、人間のいる世界だった可能性はまだあり得る。
それでも、やっぱり暗黒大陸から生身で海を渡ってこっちに来るのはちょっと難しすぎるんじゃないかという問題は残る。
そのため、自然にやってきた可能性は現実的ではないってのが結論。
パターン2:人為的に連れてこられた
消去法的に『人為的に連れてこられた』と考えるのが妥当。
では、一体誰が?何のために?
答えはパリストンかビヨンド(もしくは両方)だ。
少しずつ謎を解き明かしていこう。
キメラアントを連れてくるための条件
まず、外来種(キメラアント)を連れてくるにはいくつかの条件が必要になる。
- 条件1:相応の実力
- 条件2:ある程度の権力
- 条件3:明確な目的
条件1:相応の実力に関して
実力に関しては、最低でも暗黒大陸に挑戦できるレベルじゃないと話にならない。
なぜなら、未知の大陸で未知の生物を捕獲して連れて帰らないといけないから。(厳密には未知ではないかもしれない)
キメラアントは念がない状態でも、高い戦闘能力を持っていた。
一例として、プロハンターで念能力者のポックルでも兵隊長クラスにすら苦戦するレベル。
もっと言うと相手が頭の悪いパイクだったから善戦できただけで、他の兵隊長クラスになら負けていた可能性も十分にあり得る。
以上を踏まえると、ある程度(それなりに実力を持った)人物を絞り込める。
条件2:ある程度の権力に関して
そもそも、暗黒大陸は人類のタブーだから、暗黒大陸の情報は一部の者しか知らない。
最低でも外来種(キメラアント)の存在をあらかじめ知っておく必要がある。
仮にキメラアントをリアルタイムで捕獲したのではなく、元々どこかで隔離していて利用したのだとしても、それなりの情報が集められる人脈や権力を持っていないといけない。
以上を踏まえると更に(ある程度の権力を持った)人物を絞り込むことができる。
条件3:明確な目的に関して
キメラアントを連れてくる条件には、明確な目的も必要。
なぜなら、外来種(キメラアント)を人類の住む地に解き放つには、いくつものリスクがあるから。
では、リスクとは何だろうか?
リスク①:解き放った者の安全が保障されていない
キメラアントの成長や繁殖が想定を超えていた場合、人類が滅亡していた可能性すらあった。
リスク②:解き放つ前にバレる
作戦そのものが実行前にバレて、弾圧や処罰の対象になる可能性
リスク③:キメラアントが想定通りに動いてくれるとは限らない
NGL(バルサ諸島)にキメラアントを解き放った後、どんな行動を取るかは未知数。
すぐに見つかって討伐される可能性もあるし、討伐されなくても普通にのたれ死んでいた可能性さえある。
これだけのリスクを背負ってまで外来種を人為的に連れてきた理由は?
やはり、明確な目的がないと意味が分からなくなってしまう。
では、明確な目的とは何か?
それは暗黒大陸への進出だ。
あまりに都合のいい暗黒大陸への進出
よくよく思い返してみると、一連の騒動は誰かにとって都合が良すぎないだろうか?
- たまたま情報が外部に漏れない国(NGL)にキメラアントの女王が流れつき
- たまたまNGL(バルサ諸島)がヨルビアン大陸で
- たまたま発見が遅れたからネテロ会長が死ぬまでのレベルに繁殖し
- たまたま何の被害も出なかったエイジアン大陸のカキンが
- たまたま200年も前から結ばれていた不可侵条約に加盟しておらず
- たまたま十二支んですら存在を知らなかったビヨンドと手を組んでいて
- たまたま20万人を乗せられる超巨大船を作っていて
- たまたま協専にも暗黒大陸攻略の専門家(スペシャリスト)たちが待機していた
偶然にしてはあまりに都合が良すぎる。
しかし、これが偶然ではなく暗黒大陸に進出したい誰かの描いたシナリオならどうだろうか?
例えば、条件1〜3を満たし、いくつものリスクを跳ね除ける人物とか・・・。
僕には思い当たる人物がいる。
それがパリストンだ。
不可解すぎるパリストンの行動
振り返ってみれば、パリストンの行動には不可解な点が多すぎる。
まず、キメラアントが各地で暴れていると知っていたのに行動を起こすどころか、むしろ討伐の妨害をしていた。(22巻参照)
次にキメラアント騒動が終わると同時に(ジン以外)誰にも知られることなく速やかに繭になったキメラアント5000体の回収。(30巻参照)
さらに協専のマッシュルームみたいなヤツの「計画を提供した」という発言。(33巻参照)
なぜ、キメラアント人類の敵であるはずのキメラアント討伐の妨害をしていたのか?
スムーズに討伐を成功されたら困るからだ。
なぜ、スムーズに討伐されたら困るのか?
ネテロ会長が死なないからだ。
なぜ、ネテロ会長が死なないと困るのか?
暗黒大陸に進出できないからだ。
なぜ、キメラアントの繭を速やかに回収できたのか?
キメラアントの性質を元々知っていたからだ。
計画とは何のことだろうか?
決まっている。暗黒大陸へ行くための計画だ。
では、一体どこからどこまでが計画だったのだろう?
そのヒントとなるのが、ネテロ会長の遺言と死ぬタイミング。
ネテロ会長の遺言と死ぬタイミングについて
ネテロ会長はヒゲと髪の長さからメルエムが生まれる前から、十二支んへの遺言を残していたことが分かる。
人は遅かれ早かれいつか死ぬから遺言を残すのは当然だろう。
問題はネテロ会長が死ぬタイミングとビヨンドと交わした約束だ。
ビヨンドはネテロ会長が死ぬまで暗黒大陸に行くことはできかった。
では、キメラアントの騒動がなければネテロ会長が死ぬのはいつになっただろう?
数年後?数十年後?
100歳を超えて尚、最強超人が死ぬタイミングを予測することなど通常はできない。
そう、通常であれば。
言い換えれば、意図的に死ぬシチュエーションさえ作ってしまえば
死ぬタイミングを予測することはできる。
そして、死ぬタイミングを予測できるなら、そのタイミングに合わせて暗黒大陸へ行く準備を進めることも可能。
では、ネテロ会長が死ぬシチュエーションとは?
答えはネテロ会長よりも強い存在をぶつけることだ。
ネテロ会長より強い存在とは?
外来種(キメラアント)だ。
以上のことを踏まえると
突然キメラアントが現れた理由も、カキンの暗黒大陸進出のタイミングがあまりに良すぎた点も、パリストンの不可解な行動にも納得ができると考えるのだがいかがだろうか?