こんにちは、宮本(@mangablog2)です。
当記事では、20年以上ハンターハンターを愛してやまない僕が考察&解説をしています。
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ジャイロについて徹底解説
ジャイロの概要 | |
---|---|
年齢 | 不明 |
誕生日 | 不明 |
身長 | 不明 |
体重 | 不明 |
血液型 | 不明 |
性格 | 不明 |
念系統 | 不明 |
能力 | 不明 |
少年マンガの中でも一線を画すハンターハンターの中でもさらに異彩を放つ存在が『ジャイロ』
NGLの創始者にして王ということ以外、一切不明。
ジャイロとは一体何者だろうか?
そして、ジャイロの登場にはどんな意味があったのか?
今回の記事では、謎だらけのジャイロの真相について迫っていく。
ジャイロについて解説①:ジャイロとは?
ジャイロは20巻の203話の最後と204話で登場する謎の人物。
物語には直接関係することもなく、セリフもほとんどない。
アニメだと80話(ユンジュが登場する話)で語られ、原作よりかなり早めに登場した。
姿さえ描かれず、ほぼ1話しか登場していないにもかかわらず、圧倒的な存在感を放ち、永遠と話題にされ続けている。
中には「ジャイロはラスボスとして登場するのではないか?」という説も存在するほど。
ジャイロについて解説②:ジャイロの生い立ち
ジャイロは0歳から12歳まで、とある飯場で育つ。
言葉よりも先にレンガの積み方やコンクリートの作り方を教えられたジャイロは、実の父親を殴り殺して飛び出すまでの間、ずっとタダ働きを強いられていた。
父親は寡黙で、仕事を終えて部屋に戻ると安酒を飲み、二段ベッドの上にいるジャイロに声をかけることもほとんどないため、7歳までロクに言葉さえ話せなかった。
ジャイロは共同便所に行く時以外、ベッドから降りることさえ許されず、回数も1日2回の夜9時まで。
どうしても尿意を我慢できないときは、あらかじめ用意していた空ビンに用を足す生活。
無口な父親が唯一彼に説いたのは「ヒトに迷惑を掛けるな」という言葉。
小さな少年の宇宙で、父親は神にも等しい存在だった。
オモチャ1つ買い与えられない彼にとって父親を信じる根拠は2つ。
- 5歳の頃、高熱で死にかけた際、徹夜でタオルを変えてくれた
- 「出ていけ」と言われたことがない
この2つがジャイロの密かな誇りということを年上の青年に打ち明けた時、事件は起こる。
「出ていけ」と言われないのは、ジャイロが金づるだからだとバカにされたのだ。
ジャイロはキレて襲い掛かるが、返り討ちに遭う。
そして、顔を踏まれながら、徹夜で看病したのは父親ではなく、隣に住んでいた老人だったことも告げられる。
青年の言葉を聞きながらジャイロは信じられないものを見た。
ボコボコにされたジャイロと目があっても、父親は何の関心も示さなかったのだ。
その瞬間、ジャイロは全てを理解する。
「宇宙はオレに興味がない」
死んでもいいし、生きててもいい存在。つまり、どうでもよかった。
生きていれば金が入るし、死ねば部屋が少し広くなる。
「ヒトに迷惑を掛けるな」とはジャイロのためなどではなく、100%父親のためのもの。
「オレは人間じゃなかったんだ」
ジャイロはしばらくして立ち上がり、部屋で酒を飲んでいた父親をハンマーで殴り、金を奪って飯場を出た。
9年後NGLを設立し、さらに9年後NGLは国家となり、彼は王となる。
ジャイロについて解説③:NGLの創設者
ジャイロはNGL(Neo Green Lifeの略)機械文明を捨てて、自然の中で生きる団体の創設者。
王となった彼の目的はただ1つ。
世界中に悪意をばら撒くこと。
外から干渉できない国を作り、裏では悪意をばら撒く準備をしていた。
飲む麻薬DDの製造は、ほんの手始めにすぎない。
しかし、キメラアントがNGLに現れたことでジャイロの目的は頓挫したかに思えたが・・・
⇨キメラアント編に込められたメッセージとは?黒幕やジャイロの意味を徹底考察
ジャイロについて解説④:ウェルフィンとイカルゴの関係
ジャイロとウェルフィン(ザイカハル)とイカルゴはキメラアントになる前、仲間だったことが分かっている。
特にウェルフィンにとってジャイロは兄弟のような存在らしく「ジャイロに会えればそれでいい」と口にするほどの仲。
ちなみにアニメ版だと、イカルゴとウェルフィンも生前だとかなり仲が良かった描写がされている。
ジャイロについて徹底考察
ほとんど謎に満ちたジャイロだが、彼は一体何者なのだろう?
ジャイロの正体や強さ・今後の登場するのかについて考察していくぞ。
ジャイロについて考察①:ジャイロの正体とは
ジャイロの正体は、ズバリ『ヒトとアリの対比』を具現化した存在。
そう思うのは、メルエム(アリ代表)とジャイロ(ヒト代表)があまりにも対比されすぎているからだ。
具体的には
- 目的
- 立場
- 生死
- 影響
- 物語
- 選択
- 強さ
見事に対比されている。
詳しく順番に見ていこう。
対比ポイント①:目的
メルエムの目的は蟻の王として『世界を統べること』=秩序
一方、ジャイロの目的は『世界中に悪意をばら撒くこと』=無秩序
そして、ネテロ会長がミニチュアローズを発動させる直前、メルエムに対して「お前さんは何も分かっちゃいねぇよ・・・。人間の底すら無い悪意を」というセリフは、明らかに人間の方が『悪』であるような描かれ方をしている。
人間の立場からすると「人間を殺して食べる」という行いは、悪のように感じるが、生物としてはごく自然な行動を取っているに過ぎない。
つまり、蟻は『善悪』という考えではなく、純粋に生きるという行動を取っているだけ。
しかし、人間は違う。種のためではなく個のために行動し、自分の欲望を叶えるために必要以上に他者の命を奪う。
その最たる象徴が『貧者の薔薇』だろう。
他の生物の立場からすれば、人間は生きているだけで多くの命を奪うとんでもない存在。まさに『底すらない悪意』なのだ。
だからこそ、NGLで人間とキメラアントが混ざった時、通常の蟻ではあり得ない行動(狩りを楽しむだけの殺戮)が繰り広げられた。
もし、キメラアントが世界を統べる結果になっていたら、人間が支配する世界よりも平和で美しい世界になっていただろう。
対比ポイント②:立場
メルエムは王として生まれたが、ジャイロは仮初の王だった。
そして、キメラアントに蹂躙され失脚。
女王に従いこそしなかったものの、またもや一兵隊として生まれ落ちてしまう。
生まれながらの王であるメルエムとは全く異なる。
対比ポイント③:生死
最終的にメルエムは死に、ジャイロは生き残った。
対比ポイント④:影響
メルエムは生まれる前から女王の寵愛を一身に受け、誕生後も護衛軍から心より慕われていた。
一方、ジャイロは幼い頃から実の親にさえ関心を向けられることはなかった。
対比ポイント⑤:物語
結局、ジャイロはゴンと出会うことなく、本編にはほとんど関わりがなかった。
ジャイロが本編に絡んでこなかった理由は、ジャイロが人間を代表する者だからだ。
ゴンたちが命をかけてキメラアントを討伐しても、世界規模で考えると、大半の人間はキメラアントと関わるどころか、彼らの存在すら知らずに過ごしていた。
これは、大きな事件が起きたとしても、ほとんどの人間は事件に関わりがない・関心がないということを、冨樫先生はジャイロを使って表現しているのではないだろうか?
例えば、アメリカで大量殺人があったとしても、日本に住む僕たちは、そんな事件が起こっていたことさえ知らず生活を送るだろう。
世界を変えようとするメルエム(蟻)と、キメラアントなんて関係がないと本編に興味すら示さず立ち去るジャイロ(人間)は、対比的だと思わざるを得ない。
対比ポイント⑥:選択
メルエムはコムギと出会ったことで、ヒトとして生きることを選んだ。
ジャイロはキメラアントに食べられ、アリとして生きることになった。
ジャイロが父親を殺すキッカケになったシーンでは、自分のことを「オレは人間ではなかった」と表現しているが、ジャイロは間違いなく人間だ。
しかし、ジャイロ自身は自分が人間ではないと本気で思い込んでいる。
だから、ジャイロは人間の象徴である『悪意』を世界中にばら撒く目的を持ってしまったのだと推察できる。
一方、蟻であるメルエムは、コムギと出会ったことで人間になろうとしていた。
生まれてから、ずっと種のために行動してきたからこそ、人間としての自我が芽生えたときにどんな行動をすればいいか分からなくてイライラしていた。
種の王としての資質が人間になること(個を重んじる)を許せなかったのだ。
しかし、最終的にはメルエムはヒトと成り、ジャイロはアリ(キメラアント)になった。
実に面白い対比である。
対比ポイント⑦:強さ
メルエムは強かった。それも個人戦だと敵う者がいないほどに。
一方、ジャイロは弱かった。それもキメラアントに襲われて死ぬほどに。
しかし、ジャイロはキメラアントとして生まれ変わったため、強くなった可能性もあるのでは?と考える人もいるだろう。
僕の考えでは、ジャイロは弱いままだ。
その理由を次の節で解説。
ジャイロについて考察②:強さ
キメラアントとして生まれ変わったジャイロだが、果たして強さはいかほどなのだろうか?
結論から伝えるとジャイロは弱いままだろう。
なぜなら、ジャイロは人間を代表する存在だからだ。
人間は弱いからこそ、知恵を身につけ、生物として繁栄を築いてきた。
服を着なければ、死んでしまうほど弱いからこそ装備を固め、光がないと不安で堪らないからこそ光で身の回りを照らす。
もし、人間が強い存在であれば、知恵を身につける必要などなく、力を振るえばいいだけ。
メルエムは「暴力こそ、この世で最も強い力」と言っていたが、ジャイロ(ヒト)の真髄は適応する力。
ヒトが力を振るうだけの存在なら、ここまで文明を栄えさせることはできなかっただろう。
ジャイロも同じだ。
自分が弱いと分かっているからこそ、狡猾に入念に準備を進めてきた。
だから、ジャイロは弱い存在であるべき、いや弱くなくてはならないのだ。
ジャイロについて考察③:今後ラスボスとして登場する?
ジャイロはラスボスとして再登場するのだろうか?
答えは「NO」だ。
ジャイロは『人間=悪』が具現化された、表現するためのキャラクターであり、キメラアント編で役割は終わっている。
そして、キメラアントVS人間の戦いは人間(悪)の勝利という形で幕を閉じた。
ゴンとジャイロが出会わなかったのは「人は気づいていないだけで、悪意というのは案外近くにいるんだよ」という、冨樫先生からのメッセージなのかもしれない。
では、なぜ冨樫先生はジャイロとゴンが、いつか出会うような描き方をしたのだろうか?
それは、ゴンが最終的に戦うことになるのは、人間たち(大きな悪意)になるからだろう・・・
ジャイロについて徹底解説&考察 まとめ
- ジャイロの正体は『蟻と人間の対比』がキャラクターとして具現化されたもの
- メルエムとジャイロは真逆の存在
- ジャイロは人間全体の悪意を表している
- ジャイロは弱い
- ジャイロは今後登場しない
色々と謎を残すジャイロだが、個人的には役割を果たし終えたキャラクターだと思っている。
人間にとって本当の脅威となり得るバケモノは、人間そのものであり、バケモノを生み出すのも人間自身。
ジャイロの父親だけでなく、青年が、あるいは何者かが、少し『何か』ほんの少し『何か』ジャイロの心にプラスになるような働きをしていれば、バケモノを生み出すことはなかっただろう。
僕たちもジャイロのような存在を作り出さないように「隣が一緒になっただけ」という理由だけで、ほんの少しでも手を差し出せるようにしたいものだ。
それだけで世界は少し変わるかもしれない。
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