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ハンターハンターネタバレ一覧
ハンターハンター24巻後半のネタバレ【前回のあらすじ】
ハンターハンター24巻の概要 | |
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著者 | 冨樫義博 |
ページ数 | 216ページ |
初版発行 | 2007年10月4日 |
デジタル発行(モノクロ) | 2012年12月4日 |
デジタル発行(カラー版) | 2013年4月4日 |
発行所 | 集英社 |
24巻の前半では、メルエムが自身の腕を引きちぎり、ネフェルピトーが治療することに。
ピトーが治療をしている間、ノヴは宮殿内部に潜入し、モラウは師団長のレオルと戦う。
選別の日まで残り6日。
果たして、討伐隊はキメラアントの王を倒し、人類を危機から救い出すことができるのか!?
そんな気になる後半を一緒に見ていこう。
ハンターハンター24巻No.254:6ー⑪
モラウは短い戦いの中で3つ分かったことがあると話し出す。
- レオルの能力(他人の能力を利用すること)
- イヤホンは能力に関係がない
- レオルの寿命
モラウの友人である『グラチャン』の能力を奪い取った罪は万死に値する。
能力は奪ったわけではないが、モラウの誤解を晴らすことに特に意味を感じなかったレオルは攻撃を再開。
モラウは再び大きな波に飲み込まれ、なかなか浮いてこない。
肺活量に絶対的な自信を持っていたモラウなら、迷路のような地下の道も泳いで逃げ切ることが可能と判断したレオルは急いで追いかけようとするが・・・
突然、目眩がして水の中に落ちてしまう。
地下だったため、能力が解除されても水が引かず、そのまま溺れることに。
そして「追いつめられたのは、オレの方と見せかけて奴の方(モラウ)だったのに本当に追いつめられていたのはオレの方(レオル)」という事実を知り、呆気なく絶命。
レオルが目眩を引き起こしたのは猛毒を吸ったからだ。
毒の正体とはCO2(二酸化炭素)。
二酸化炭素は空気中にも普通に存在しているが、濃度が一定に達すると様々な症状を引き起こす。
- 0.03%(通常の空気に存在する量):無症状
- 1%:呼吸と血液循環に変化
- 5%:頭痛/動悸/血圧上昇
- 20%:数秒で死ぬ
モラウは強力な肺活量で教会内の空気を吸い尽くし、水の中から息を吹き込んで二酸化炭素濃度を急激に上昇させたのだった。
その頃、パームはビゼフ長官を眠らせて宮殿に侵入を試みる。
果たしてパームは無事にミッションを達成することができるのか!?
ハンターハンターをフルカラーで読むなら楽天koboハンターハンター24巻No.255:5ー①〜2ー①
オロソ兄妹との戦いで気を失ったキルアは、裏の人間専門の闇病院で目を覚ます。
二日以上眠っていたことを聞かされ、急いで作戦に戻ろうとするがイカルゴに止められてしまう。
しかし、致命傷だった傷はすでに治りかけており、動きにも問題がない。
仲間に紹介すると、イカルゴを誘うキルアだが、自身がキメラアントであることを気にして、なかなか進めないイカルゴ。
いや、それ以上に自分に自信がないのかもしれない。
あまり他者に必要とされることがなかった自分なんかが一緒について行っていいのだろうか?
そんな思いを抱えて動き出せずにいるのだ。
それでも「友達になれたと思った」と言ってくれるキルアを見て『真の仲間』や『本当の友達』が存在することを確信する。
一歩踏み出せば、憧れ続けた世界に飛び込むことができると知ったイカルゴにもう迷いはなかった。
選別まで残り3日に迫った頃、連日で対局を続けていた盲目の少女は心身共に限界が近づいていた。
次の対局か、その次の対局でメルエムが勝つだろうと予想される。
しかし、フラフラになった少女を見て、メルエムは休息を取るように伝える。
王が「休みなしで打つ」と前言を撤回したことに危機感を抱き、少女を見るプフ。
プフが抱える危機感は、人間にとって幸か不幸か・・・
それはまだ分からない。
ハンターハンター24巻No.256:2ー②
盲目の少女がいずれ『王にとって厄介な存在』になると感じたプフは手を出しかけるが、寸前で踏みとどまった。
ここで始末してしまうとメルエムは彼女に勝つことが永遠にできなくなってしまい、神格化されてしまう。
前言を撤回したのも全力の彼女に勝つためであり、王が変化したのではない。
プフは軽率な行動を取ろうとした自分を責め、王が世界に君臨したのを見届けたら自らの意思で死ぬことを決意。
おそらく、冗談ではなく本気だ。
護衛軍の忠誠心はそれほどまでに凄まじい。
そして、プフの雄叫びを不思議そうに見るユピー。
無事にゴンと合流したキルアは作戦当日のことについて話し合っていた。
ゴンはパームから連絡がないことを気にするが、キルアは冷たく「潜んでいるか死んでるかのどっちか」と突き放す。
しかし、突き放したのは最悪の事態を想定するよりも、パームを信じることの方が大事だからだ。
幸いなことに作戦決行まで二日残っているため、連絡が来る可能性もある。皆は信じて待つことにした。
休息を終えた少女は、対局ではなく軍儀の戦略についてメルエムと話し合っていた。
下賎な人間と仲良くするのが気に食わないであろうプフは、割り込むように選別についての打ち合わせをしようとする。
ところが、王は興味を示さず「好きにせい」と一蹴。
それでも話を続けようとするプフは部屋から追い出されてしまい、同じように追い出されたユピーはどこか嬉しげ。
一方、ピトーは『円』に触れた感覚とウェルフィンからの報告で、モラウという人物が単独犯であることと能力や力量を掴んでいた。
王を守る使命と戦いたい欲で葛藤し、プフのように雄叫びを上げる。
作戦決行まで残り1日。
ゴンたちは首都『ペイジン』に潜入し、モラウが単独犯ではないと思わせるように行動を取る。
作戦は順調なように思えるが、キルアだけは頭の中でずっと何かに引っかかっていた・・・
ハンターハンターをフルカラーで読むなら楽天koboハンターハンター24巻No.257:1ー①
対局を再開した王と少女。
相変わらず全く歯が立たないが、メルエムが感じていたのは息苦しさではなく楽しさだった。
それは少女が数段高みから打っている証でもある。
王とのハイレベルな対局を何度も積み重ねたことで覚醒し、身体がオーラで包まれる盲目の少女。
強くなるのはこれからだった。
そんな彼女に名前を尋ねるメルエム。
今までは『人間』としてしか見ていなかったが、1人の存在として認めたのだろう。
少女は『コムギ』だと告げ、返すように王の名を照れくさそうに尋ねる。
この質問は王の琴線に触れ、護衛軍を至急呼び集めた。
そう、メルエムは自分の名前を知らないのだ。
自分の名前を答えることができなかったメルエムは護衛軍を3匹呼び出し、自分の名前を尋ねる。
しかし、誰も答えることができない。
結局、欲しい答えを得ることができなかった王は、コムギの全身が光に包まれていたことを話し出す。
『人間』ごときを名前で呼ぶことに不快感を覚えるプフ。
おそらく、光の正体は念能力なのだが選別を受けていた場合、間違いなく死亡していた。
あくまで選別は兵士たり得る肉体と精神を持つ者を選ぶ作業であり、生き残れるのは戦闘力のある者だけ。
メルエムはコムギと出会ったことで強さにも種類があると学んだ。
そして、宮殿に向かう途中、気まぐれで殺した子どものことを口にする。
「もしかしたら、あの子どもはある分野で自分を超える存在になっていたかもしれない」と・・・
まるで自らの行いを悔いているかのような発言にプフは嫌な予感を拭い切ることができない。
王たる者、王として相応しい姿勢がある。
その姿勢が崩れてしまうのではないかとプフは恐れているのだ。
ところが、王に目を向けるとプフの想像とは違う表情を浮かべていた。
この表情は何を語るのだろうか?
ハンターハンター24巻No.258:1ー②
どんなに優れた能力を持っていたとしても圧倒的な暴力の前では無意味。
その暴力を持ち合わせている自分こそが、この世で最も強い存在だと自覚するメルエム。
人間は『法』の中で生きているため、認識しづらいが世界が『弱肉強食』で回っていることは疑いようのない真実であり『法』でさえも強き者が生み出した産物に過ぎない。
メルエムが去った後、プフは「王は自分の行いを悔いていると勘違いした」と他の護衛軍に打ち明ける。
ユピーに「深読みしすぎ、小娘が邪魔なら殺ればいいじゃねーか」とアッサリ返され、かつての自分と思考レベルが一緒だったことに涙するプフ。
暴力こそがこの世で最も強い力だと理解したメルエムが向かった先はコムギのいる部屋。
いくら軍儀で強くても、殺して摘み取ってしまえば意味はない。
所詮は選別までの暇つぶし。
自分の中の言葉にできないモヤモヤも元凶のコムギを殺せば消えてなくなる。と信じて扉を開けた。
すると、鳥に襲われるコムギの姿が目に映り、咄嗟に助けてしまうメルエム。
血だらけのコムギを見て「なぜ助けを呼ばなかった?貴様は大事な客だ」と、さっきまで殺そうとしていたとは思えない言葉を口にする。
弱すぎる生き物を目の当たりにしたからなのか、自分でも驚きを隠せない。
誰からも優しくされたことがなかったコムギは、王の優しい言葉に涙を流す。
種族の頂点に立ち、王として生まれてきた強き者と、1人では何もできない弱き者。
破壊するだけが本当に強さなのだろうか?弱さを認めることも本当は強さじゃないのだろうか?
メルエムはついに本当に何も分からなくなってしまう。
夜が明けた頃、ゴン・キルア・イカルゴは作戦当日の最終確認をしていた。
入念に作戦を立て「この日しかない」という日に限って、互いに予期せぬことが起こるとキルアは経験上、知っている。
想定外のことが起こった際、思考が止まって作戦に支障がないように「ありとあらゆる想定」を今のうちにしておくのだ。
そもそも、ピトーが『円』を解いたことも通常では考えられない。
なぜ、ピトーは『円』を解いたのだろうか?
コルトから「ピトーは誰かを治療している間は『円』を使えない」と情報を得たゴンたちが導き出した答えは『王が自分で自分を傷つけた』だった。
キメラアント側での『絶対』が崩れれば、作戦も崩れる。
互いにとって予期せぬ出来事はすでに起きているのかもしれない。
ハンターハンター24巻No.259:1ー③
選別を行うための行列が宮殿に向かい始める。
そんな中、メルエムはコムギが鳥に襲われていたことをキッカケに、コムギの周囲も警戒するようピトーに命じる。
ピトーもメルエムも心理描写は描かれていないが、互いの表情には何か含むところがある。
それが良い感情なのか、それとも悪い感情なのか、最後まで語られることはない。
心が折れて前線から離脱したノヴは、決して『円』に触れない遠方から宮殿の様子を窺う。
かつて、漆黒と表現できるほど黒かった髪はストレスで真っ白になり、自信に満ちていた表情は微塵も感じられない。
望遠鏡を覗くと、上空から群衆に向けて鱗粉をばら撒くプフの姿が映った。
ハンターハンター24巻No.260:1ー④
選別を速やかに済ますことができるように、プフは催眠効果のある鱗粉を群衆にばら撒く。
鱗粉を吸った者は意識を失い、目の前で人が殴り殺されても黙って自分の番が来るまで待ち続けることになる。
しかし、群衆の意識がなくなるのは人間側にも好都合。
なぜなら、宮殿に攻め入った時に宮殿付近の人間に意識があれば、パニックだけ数万人の死者が出ると予測していたからだ。
催眠によって意識がなければ、事故で死ぬこともなくなる。
いよいよ作戦開始まで30分を切った。
みんなのウチに秘めた想いが、順番に描写されていく。
ゲームのボス戦前、仲間に話しかけていくイベントを何となく想像させる。
自分の名前が分からないからなのか、それとも自己矛盾を解決できないからなのか、メルエムは自分が何者なのか考えていた。
当然、いくら考えても答えなど出てくるはずもない。いや、答えなどないのかもしれない。
ただ産まれ、生きて死ぬだけだ。
そこに意味はなく、意味があると信じたいから人は夢や理想を持つ。
だが、王にあるのは『世界を統一する』という使命だけ。
あらかじめ与えられた使命を全うするだけの存在に『個』としての意思を持つことは許されるのだろうか?
ハンターハンターをフルカラーで読むなら楽天koboハンターハンター24巻後半【感想・ネタバレ】 まとめ
王としての使命を果たす義務があると理解しながら、使命に疑問を抱き始めるメルエム。
なんとも意外な形で幕を閉じた24巻だった。
王は確かに唯一無二の存在だけど、使命を果たすだけが目的ならメルエムでなくてもいいのではないか?
もはやマンガではなく、哲学の領域。
だからなのか、実は24巻は他の巻よりも話数が1話多い。
これまでは12話収録されていたけど24巻は13話で構成されている。
さて、25巻では作戦がついに開始され、キルアがずっと気にしている想定外の出来事は見事に的中!
その想定外は人間にとって幸か不幸か!?
答えは、ぜひ25巻で確認してみてくれ!
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