僕が資産家だった頃の話【遊びの覇者の結末】

遊戯王 オッドリアル

唐突だが、僕には資産家だった時期がある。

10歳の頃、一代にして大きな財産を築いた。

今回の記事では僕がどのようにして資産を築いたのか、そして、何故資産家をやめたのかをご紹介しようと思う。

もし、あなたがこれから大きな資産を築きたいなら是非、参考にして欲しい。

始まりは150円から

僕は小学1年生から2年生になるタイミングで隣町の学校に転校することになった。

この時の僕はまだ貧乏ではなく、転校してから貧乏生活が始まることになるのだが、それはまた別の機会に話すとしよう。

一般的な小学生から見る150円がどれほどの価値があるかは、さておき、当時の僕の中で150円という金額はそれなりの贅沢をすることができる金額だったと思う。

30円でジュースを買い、70円でお菓子を買っても、まだ50円残ってしまうのだから。

全ては、あの日の150円から始まる。

強さを教えてくれた友人H

その日は、友人Hが遊戯王カードというものを僕に教えてくれた。

何だかよく分からないが、僕は「カッコいい!」そう思った。

そして、150円で初めての遊戯王カードを買うことになる。

(ちなみに、遊戯王カードは1パック×5枚入り=150円)

まるで世界を揺るがすんじゃないかと思うぐらいワクワクする気持ちを、どうして子供は簡単に引き出すことができるのだろう。

僕もそんなワクワクに支配され、宝箱を開くように、カードパックを開けた。

カードパックには必ずレアカードが入ってる訳でなく、スカを食らうことも幾分にある。

ただ、スカを引く気などサラサラない、というより何も分かっていないから、カードが手に入るだけでも喜んでいたのだろう。

しかし、レアを引いた。

引いたカードは今でも覚えている。

シャドウ・グールだ

僕は「え、気持ち悪い、怖い」そう思ったが、友人Hの一言でシャドウ・グールの見え方が変わる。

友人H「コイツ、強いで」

今の僕なら「コイツ、強いで」に対して、何がどう強いのか説明を求めるのだが、当時の僕にとって「コイツ、強いで」は世界で最も欲しかった言葉と同時に、僕が強さを必要以上に求めるキッカケとなってしまった。

友人Hは師匠

遊戯王カードは、最低40枚ないと闘うことができない。

つまり、遊ぶためには8パックは買わなければいけないのだ。

少しずつカードパックを買い集めて、やっと40枚集めたものの、偶然揃ったカード40枚で闘って勝てるほど、遊戯王の世界は甘くない。

しかし、僕にはそんなものどうでもよく、友人Hと遊べることが、ただただ楽しかった。

それにルールを把握していないカードゲームの闘いの勝敗など、あってないようなものだ。

僕の持っていないカードを沢山見せてくれて、説明してくれる友人Hは師でもあった。

そう、あの日が来るまでは・・・。

大人の介入

時は流れ、色んな友人が僕に不要なカードを少しずつくれたおかげで、カードの枚数だけは順調に増えていた。

僕は『カードが多い=強い』と思っていたので、何だか強くなれてる気だけはしていた。

そんなある日、いつもの公園でカードで遊んでいると、1人の大人が話しかけてきた。

「カード見せて」と。

見た目はハンチング帽を被った、竹内豊似の20歳ぐらいの男性。(以下、竹内)

友人Hの警戒心は強く、すぐに離れていってしまう。

(今思うと、確かに怪しいし、離れるべきだ)

警戒心など全く持っていなかった僕は「自慢のカードだ、どんなもんだ」とばかりに普通に見せた。

竹内「これは全部、デッキ?」

僕「うん」

竹内の次の言葉で僕は初めて、この大人を疑う。

竹内「ちょっとカードが多すぎるね」

僕「・・・」(いっぱいある方が強いじゃん)

竹内「試しに抜いて勝負してみよう」

僕「良いよ」

子供の遊びに大人が本気を出せば、結果がどうなるかなんて見えている。

僕はめちゃくちゃ強くなった。

そう、大人の介入によって、僕は一瞬にして友人Hを超える存在となってしまったのだ。

資産形成

翌日、友人Hにあの後、竹内にめっちゃ強くしてもらったから、「勝負しよう」と僕は持ちかけた。

竹内によって改造された僕のデッキはまさしく最強で、友人Hとの闘いは、気まずくなるほど一瞬でケリがついた。

(説明しておくと、カードゲームは確率論で、欲しいカードを100枚から引くよりも40枚から引いた方が、欲しいカードが引ける確率は上がる。)

同学年との闘いでは最早、負けなしとなったので、高確率で公園にいる竹内とよく闘い、益々僕は強くなっていった。

そんな戦いの日々を続けていると、竹内の後輩16〜18歳たち(遊戯王界隈)とも交流する機会に遭遇し、僕は何故か18歳の人にめちゃくちゃ気に入られ、小学生の僕が少し引くぐらい遊びに誘われた気がする。

その内、少しのレアカードを起点にわらしべ長者のようなトレードを繰り返しが始まり、僕は少しずつレアカードの保有数を増やし、資産を形成していく。

手にしたもの失ったもの

資産(レアカード)を少しずつ増やした僕は、更なる資産を増やすために交渉術を身につけた。

  • 希少性の低いレアカード複数枚と希少性の高いカード1枚のトレード
  • コレクション的な意味合いのカードと実用性のあるカードのトレード
  • 純粋に持っていないカードのトレード

など。

やはり、この国では資産を持っている人が有利な世界だ。

交渉の主導権はいつも僕にあった。

今でも当時のレアカードの名残が少しある。

かなり売ったけど、それでもこんなに残っている。

これを10歳の少年がお金ではなく、交渉で集めたのだから驚きだ。

そして、資産形成だけでなく、僕は強くなった。

いや、強くなりすぎたのかもしれない。

地域の遊戯王の大会で優勝したのだ。

とても、気まずかったが、大会では強くなるキッカケをくれた竹内もボコボコにし、遊戯王界隈の大人もボコボコにした。

大会の後、彼らは僕の前に姿を現さなくなってしまったが構いはしない。

この世界は弱肉強食。

僕は何を手にして、何を失ったのだろう。

力と資産を集め過ぎた僕はもう何も分からなくなっていた・・・。

虚無感の正体

大人をボコボコにして大会に優勝した僕は、同学年の間ではヒーロー的な存在だったのかもしれない。

しかし、もてはやされることに大して感じるものもなく、何だか心にポッカリ穴が空いたような感覚があった。

よく漫画で、強くなり過ぎたキャラクターが退屈している描写がある、正にそれだ。

これまではカードを集めることに喜び、勝つことに喜びを感じていたのが、もう欲しいカードはなく、誰と闘っても勝ちが決まっている。

退屈のあまり、レアカードを一部切り取り、違うカードにくっ付け遊んでいたら、それを久しぶりに現れた18歳に見られて「お前!それでもデュエリストか!?」って本気でブチ切れられ、普通に引いた。

冷静になってみれば、10歳と18歳が遊ぶことには少し違和感がある。

きっと、どこかで時空の歪みでも起きていたのだろう。

歪みは直さなければいけない。

そう、決別の時が来たのだ。

僕「え?違いますけど?」

18歳「・・・」

彼は時空の彼方へと消えた。

(中学に上がった時、18歳の妹が僕の同学年として現れるのはまた別のお話)

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